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スペインの青い空の真下で

 私は2003年の春にスペインの学生ビザを持ってバルセロナにやってきました。海外で暮らしたいと考えていた私は、アルバイトをしながらスペイン語の勉強をして、2007年の秋に小さな食堂を出すことができました。今でも、ここバルセロナで生まれた子供たち2人と4人家族で暮らしています。
 私のこの体験が特別なものだとは思っていませんが、私がスペインで経験してきたことを日本にいる人たちにも知ってもらうことは、ほんの少しでも何か意味があるのではないかと考え、これまで書いてきた日記をこの場に公開することにしました。
 大変長く、読みづらい部分もあるかとは思いますがご容赦ください。

はじめに

 文中の『あおい食堂』は『みかさ食堂』のことですが、この文章はお店の宣伝のためのものではありませんので、他の店名や個人名と同様仮名にしました。
 お店はスペインの人たちに日本を伝えるためのものであり、この日記は日本で住んでいる人たちに私がスペインで感じたことを伝えるためのものです。

 この日記のテーマは『海外で暮らすということ』、それは移民になるということであり、外国人になるということ。普通『外国人』という言葉は日本人という言葉に対応した国籍のカテゴリーとしてとらえられていると思いますが、私は『外国人』という言葉を一つの生き方であると認識しています。スペインで住んでいるスペイン人たちは、スペイン国内でいる限り外国人ではありません。日本人も日本から一歩出ることによって外国人になります。外国人は生まれながらにして外国人なのではなく、たいていの場合は本人の意思と決断によって外国人になります。
 しかし、そうでない人たちもたくさんいます。日本人としてスペインでくらしている私の子供たちは生まれたときから外国人です。そして増え続けている国際結婚とハーフの子供たち、彼らにとってこれからの日本と世界はどのようにうつるのでしょう。

 私は日本が好きです。そしてスペインが好きです。
 日本の好きなところはみんなまじめなところで、嫌いなところはまじめすぎるところ。スペインの好きなところはみんなおおらかなところで、嫌いなところはおおらかすぎるところ。
 長所と短所はいつだってコインの裏表で、大好きと大嫌いはいつもぴったり背中合わせ。海外で暮らすメリットを享受するためには、デメリットも全て乗り越えなければならないと思います。

 これを読んでいる皆さんの明日が、良い一日でありますように。

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